アグネスの部屋


古い漫画のレコードなど

歌謡史を振り返ると、ある時期(1975年頃)を境に、急にカタカナの曲名が増えています。(総合年表
昔は柳ヶ瀬ブルース、星影のワルツ、黒猫のタンゴなど必要最小限の外来語しか使っていませんでした。(例外はあるが。)

それが、80年代に入ると、日本語と英語がごちゃ混ぜのタイトルがあたりまえになり、歌詞までも汚染されてきました。これに比べると、まだ、今の曲の方が英語ばかりのタイトルですっきりしてマシかもしれません。(日本人として問題はあるが。)

外国の曲だって、わかりやすい日本語のタイトルがつけられていました。(原曲とは全く関係のないタイトルがつけられていることも多いが。)

ビートルズその後」に紹介している曲で例をあげると、
Give Peace A Chance→平和を我らに
What Is Life→美しき人生
It Don't Come Easy→明日への願い
Mary Had A Little Lamb→メアリーの小羊 など

小野洋子やジョン・レノンは、逆に日本語タイトルの曲を作っています。
「Shiranakatta」(YOKO ONO 73年) 「Aisumasen」(JOHN LENNON 73年)


では、70年代後半からの歌謡曲にどんな曲があったか思い出してみましょう。

「ウォンテッド」「UFO」(ピンク・レディー 77年)、「イミテイション・ゴールド」(山口百恵 77年)、「サウスポー」「モンスター」(ピンク・レディー 78年)、「プレイバックPart2」(山口百恵 78年)、「勝手にシンドバッド」(サザンオールスターズ 78年)、「美・サイレント」(山口百恵 79年)、「セクシャル・バイオレットNo.1」(桑名正博 79年)、「How Many いい顔」(郷ひろみ 80年)、「ロックンロール・ウィドウ」(山口百恵 80年)、「ハッとして!Good」(田原俊彦 80年)、「スニーカーぶる〜す」(近藤真彦 80年)、「ギンギラギンにさりげなく」(近藤真彦 81年)、「ス・ト・リッ・パー」(沢田研二 81年)、「ふられてBANZAI」(近藤真彦 82年)、「100%Soかもね」(シブがき隊 82年)、「素敵にシンデレラ・コンプレックス」(郷ひろみ 83年)、「ラブ・イズ・オーバー」(欧陽菲菲 83年)、「ケジメなさい」(近藤真彦 84年)、「サザン・ウインド」(中森明菜 84年)、「なんてったってアイドル」(小泉今日子 85年)、「SOLITUDE」(中森明菜 85年)。

美・サイレント・・・be silentのつもりか。
勝手にシンドバッド、セクシャル・バイオレットNo.1、素敵にシンデレラ・コンプレックス・・・なんのこっちゃ
How Many いい顔・・・訳すと「いい顔がいくつあるのですか」
ロックンロール・ウィドウ・・・ウィドウのつづりが分からないから辞書が引けない。
100%Soかもね・・・意味不明、パソコンで入力しにくい。
ラブ・イズ・オーバー・・・「愛は越えた」と訳しそう。
ケジメなさい・・・日本語の崩壊
SOLITUDE・・・孤独?孤立?辞書を引かないと自信がない人の方が多いのでは? カタカナで書いてないから発音できない。


閑話休題
香港から日本の歌謡界に進出してきたアグネス・チャンは、その愛くるしさとさわやかな歌声で、一躍日本の人気歌手の仲間入りをしました。
80年代以降、流行ってきた言い方で表現すると、「さわやかさをありがとう」といったところでしょうか。(2000.11.12記)



EP編



ひなげしの花 72年11月
初恋
記念すべきアグネス・チャンの日本でのデビュー曲。このさわやかな歌声を初めてテレビで聞いたときの衝撃が忘れられない。B面は少し中国的な味付けがしてある平尾昌晃の曲。山上路夫作詞、森田公一作曲。


妖精の詩(うた) 73年4月
いじわる雨の日曜日
日本での2曲目。A、B両面とも松山猛作詞、加藤和彦作曲。


草原の輝き 73年7月
山鳩
日本での3曲目。アグネスの人気を不動のものとした代表曲。「い〜ま〜、なみだを〜、かくして〜、かーぜーのーなーかー」の絶唱部分が素晴らしい。B面もA面と同じくらいよく聴いた。両面とも、安井かずみ作詞、平尾昌晃作曲。


小さな恋の物語 73年10月
ふたりの牧場
岡崎友紀主演テレビドラマ「小さな恋の物語」とは関係がない。前曲が良すぎたせいか、ちょっと印象が薄い曲。山上路夫作詞、森田公一作曲。


星に願いを 74年3月
わたしの日曜日
ディズニー映画「ピノキオ」の「When You Wish Upon A Star」ではない。この頃から、歌謡界に少しずつ同タイトルの曲が増えはじめる。今では、意図的に同タイトルをつけたとしか思えないような曲が目立つ。安井かずみ作詞、平尾昌晃作曲。


ポケットいっぱいの秘密 74年6月
しあわせの白い砂
この次の曲、「美しい朝がきます」からあきらかに路線変更がうかがえる。かわいらしさをフィーチャーした曲は、「ポケットいっぱいの秘密」で終わりを告げる。松本隆作詞、穂口雄右作曲。


美しい朝がきます 74年9月
わたしのペンフレンド
アルバム「あなたとわたしのコンサート」収録の同曲とは別バージョン。シングル・バージョンの方がテンポがやや緩やか。B面の曲は、同アルバム収録曲と同じ。安井かずみ作詞、井上忠夫作曲。


愛の迷い子 74年12月
まごころ
この曲から75年中に発売された曲まではあまり好きでない。安井かずみ作詞、平尾昌晃作曲。


恋人たちの午後 75年3月
ほほえみ
75年は、アグネス熱も冷めたが、76年発売のLP「Mei Mei(メイメイ) いつでも夢を」を聴いてから、再びアグネス熱が復活する。山上路夫作詞、森田公一作曲。


冬の日の帰り道 75年12月
ハロー・グッバイ
アグネス・チャンのシングルレコードはこれ以降買っていない。小泉まさみ作詞、作曲。




LP編


アグネス・チャン FLOWER CONCERT
A 1 サークル・ゲーム
2 幸せの黄色いリボン
3 遠い遠いあの野原
4 心の旅
5 学生街の喫茶店
6 白い色は恋人の色
B 1 オリジナル 1
2 You are 21,I am 16
3 悲しき天使
4 ふたりの牧場
5 初恋
6 山鳩
73年11月
小柳ルミ子 あしたも日本晴れ」と同時期に発売されたものです。ジャケットのデザインも同じです。ただ、こちらはライヴ盤です。
まだ、日本デビューから1年しかたっていなく、アグネスは非常にたどたどしい日本語でしゃべっています。
A1はバフィ・セントメリー、A2はドーン、A6はベッツィ・アンド・クリスの曲で大変よい選曲だと思います。B4、5、6はアグネスのシングルヒットのB面の曲を3曲続けて歌っています。このアルバムで最も気に入っている部分です。
B1、B2はアグネスの自作曲です。
C 1 イエスタディ・ワンス・モア
2 若葉のころ
3 フォギ・フォギ・デュー
4 赤とんぼ
5 ゆき
6 七つの子
7 ママに捧げる詩
D 1 ひなげしの花
2 妖精の詩
3 草原の輝き
4 小さな恋の物語
5 ウィズ・アウト・ユー
6 バイ・バイ・ラブ



アグネス・あなたとわたしのコンサート
A 1 二人だけのコンサート
2 海より青い瞳
3 花柄のパラソル
4 アップル・パイのラブレター
5 雨模様
B 1 美しい朝がきます
2 わたしのペンフレンド
3 とても好き
4 ポケットいっぱいの秘密
5 白いカナリア
6 夢の小径
74年6月
このアルバムは、CDで復刻盤が発売されています。(ボーナス・トラックなし)
A1の加藤和彦の曲は、アグネス・チャンのすべての曲の中で一番のお気に入りです。
B1はシングルとは別バージョンです。浅野真弓の主演テレビドラマ「おじさま!愛です」(昔は何とも思わなかったが、今ではなぜか嬉しくなるようなタイトルです。)の主題歌でした。シングル曲では、「美しい朝がきます」が一番のお気に入りです。



はじめまして青春
A 1 思い出をあける鍵
2 愛の迷い子
3 恋人たちの午後
4 そよ風の誘惑
Have You Never Been Mellow
5 はだしの冒険
6 海岸通
B 1 白いくつ下は似合わない
2 冬の日の帰り道
3 サンシャイン・オン・マイ・ショルダー
Sunshine On My Shoulders
4 プリーズ・ミスター・ポストマン
Please Mr. Postman
5 愛の喜び
Plaisir D'amour
6 思い出をしまう鍵
75年12月
2枚組ですが、理解に苦しむ選曲になっています。「あなたとわたしのコンサート」が素晴らしかっただけにちょっと残念でした。したがって、ほとんど聴いていません。このLPのための新曲とシングルのヒット曲とオリビア・ニュートン・ジョンやジョン・デンバーの曲を意味もなく羅列してあります。C面、D面も地味な曲が多くアグネス・チャンらしくありません。C2は、「冬の日の帰り道」のB面の曲でしたが、のちに柏原芳恵がヒットさせました。
C 1 はじめまして はたち
2 ハロー・グッドバイ
3 ふたりぼっち
4 男の人わからない
5 いつもとちがう私
6 灯ともし頃は淋しくて
D 1 東京タワーを鉛筆にして
2 おやすみ
3 さよならは風に巻かれて
4 冬の灯台
5 思い出してください



Mei Mei(メイメイ) いつでも夢を
A 1 恋のシーソー・ゲーム
2 もう泣かさないでね
3 雨の坂道で
4 美美(Mei Mei)
5 街角
6 Try Again
B 1 小さなアンブレラ
2 陽のあたる場所
3 Jip-JipのU.F.O
4 旅人
5 愛はメッセージ
76年5月
私の心の中でアグネス・チャンを復活させたアルバムです。これも「二人だけのコンサート」と同様にCDで復刻盤が出ています。A4、A6、B4は、アグネス・チャン自身の作詞作曲です。このアルバムでは、A3、B3がおすすめです。



How are you? お元気ですか/アグネス・チャン
A 1 お元気ですか
2 教えてください
3 いつまでも変らずに
4 想い出のかけら
5 もう貝殻は拾わない
6 もう振り向いたりしない
B 1 21の愁い
2 そっと気づいて
3 あなたを包みたい
4 ひとりぼっちで歩きたい
5 心に翼を下さい
6 サンセット・ビーチ・ストーリー
77年3月
カナダ留学中に、日本のファンのために発売されたアルバムです。よくまとまっており、どの曲もレベルが高く、アグネス・チャンの最高傑作アルバムだと思います。これは、CDの復刻盤の発売が望まれるところです。なかでも、A1、B1が最高です。このアルバムからは、B5がシングル・カットされていますが、B1にするべきであったと思います。



私の恋人
A 1 忘れないでしょう
2 初恋
3 少し待ってて
4 お皿一枚 涙のスープ
5 愛のパントマイム
6 花咲く丘に涙して
B 1 ハロー・サンシャイン
2 頬に青い風
3 悲しくても美しく
4 It's a beautiful day
5 勇気を下さい
77年8月
これは、ジャケットの写真が素晴らしい。アルバム自体は、あまり聴いていません。前作が非常によかったため、このアルバムも、最初は好きになろうと一生懸命聴いていましたが、どの曲もあまり好きになれませんでした。
A2は中国民謡です。「ひなげしの花」のB面とは同名異曲で、アグネスは、日本語と中国語の両方で歌っています。



カナダより愛をこめて
A 1 イントロ・ダクション
2 似たものどおし
3 鉛筆で書いたラブ・レター
4 雨の日曜日
5 青い靴と海の砂
6 明日帰ります
B 1 花のささやき
2 小さな風船
3 瞳のおしゃべり
4 夢の中で
5 心の架け橋
6 卒業
77年11月
このLPも、気に入らず、ほとんど聴いていません。
最後に、私の選んだアグネス・ベスト10を記しておきます。

 1 二人だけのコンサート
 2 美しい朝がきます
 3 21の愁い
 4 草原の輝き
 5 ひなげしの花
 6 雨の坂道で
 7 Jip-JipのU.F.O
 8 お元気ですか
 9 海より青い瞳
10 妖精の詩
C 1 ひなげしの花
2 妖精の詩
3 草原の輝き
4 小さな恋の物語
5 星に願いを
6 ポケットいっぱいの秘密
D 1 愛の迷い子
2 はだしの冒険
3 白いくつ下は似合わない
4 恋のシーソー・ゲーム
5 心に翼を下さい
6 少し待ってて





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