仮面の忍者赤影
(飛騨の赤影)

横山 光輝 作画


左から「青影」「白影」「赤影」です。 仮面の忍者赤影(オリジナルサウンドトラック)
A 忍者マーチ
第1部オープニング:忍者マーチ
第1話「怪物蟇法師」〜
第2話「甲賀の悪童子」より
(オリジナルBGM)金目教のテーマ
(オリジナルBGM)影 烈風斎
(オリジナルBGM)道中記
第2部オープニング:忍者マーチ
(オリジナルBGM)死闘
8 (オリジナルBGM)孤独な赤影
B 赤影の歌
(オリジナルBGM)情景
(オリジナルBGM)青影のテーマ
第3部オープニング:忍者マーチ
(オリジナルBGM)大怪獣
(オリジナルBGM)白影のテーマ
7 (オリジナルBGM)暗躍
8 第4部オープニング:忍者マーチ
第52話「六大怪獣包囲陣」
忍者マーチ、赤影の歌
 作詞 伊上  勝 作曲 小川 寛興 歌 ヤング・フレッシュ、ボーカル・ショップ
音楽:小川 寛興
1980年 キングレコード株式会社


青影得意のポーズ


週刊少年サンデー昭和41年47号扉「仮面の忍者赤影」というタイトルはどうも好きになれません。「少年サンデー」連載当初の「飛騨の赤影」の方がよかったですね。「伊賀の影丸」のファンで、引き続き「赤影」を読んでいた人はきっと私と同じ気持ちだったことでしょう。

テレビ化にあたり「飛騨の赤影」から「仮面の忍者赤影」にタイトルが変更されましたが、漫画を読んでいない人にとっては、「仮面の忍者」の方が分かりやすく、しかもインパクトがあったことと思います。テレビの内容は、対象年齢がかなり下げられていたようで、5年生になっていた私には少し幼稚に見えました。牧冬吉が出演していたので、「隠密剣士」のような本格的な忍者ものを期待していたのですが、当時の怪獣ブームにのった忍者怪獣活劇になってしまいました。前作の「伊賀の影丸」はテレビでは人形劇(下の画像)として放映されましたが、「赤影」よりも本格的な忍者もので、横山光輝の原作に忠実に再現されていたように思います。

白影役の牧冬吉さんは、98年に67才で亡くなっていますが、主人公赤影役の坂口祐三郎さんも、最近(’03年7月13日)、61才の若さで亡くなられました。赤影を演じていた当時は25才でした。牧冬吉さんが赤影に出演していたころは36才でした。お二人のご冥福をお祈りしたいと思います。

青影役は子役の金子吉延でした。金子吉延と間違えやすいのが、「ジャイアントロボ」の草間少年役だった金子光伸です。同じ金子姓で、年格好も似ていて、どちらも横山光輝や水木しげるの作品に出演しているのでまぎらわしくなっています。「青影」「ワタリ」「河童の三平」が金子吉延で、「ジャイアントロボ」の草間少年と「悪魔くん」が金子光伸、というふうに覚えましょう。

「赤影」のテレビ放映は、昭和42年4月5日から昭和43年3月27日までで、ちょうど私の5年生時代をすべてカバーしています。放送時間は水曜日の午後7時から7時半まででした。番組の内容には多少不満がありましたが、小川寛興の音楽は素晴らしく、主題歌、副主題歌とも Very Goodです。特に、エンディングで使われていた(と思う)「赤影の歌」の「みん〜なが〜・ま〜っ・て・た〜、か〜めんの・に〜んじゃ〜」という部分のメロディがグゥッときます。また、ここで紹介しているサウンドトラックのA2:第1部オープニング、A6:第2部オープニング、B4:第3部オープニング、B8:第4部オープニングのいずれも、テーマソングの「忍者マーチ」の前にナレーションが入り、「赤影参上!」と赤影が叫んで曲が始まります。この出だしが素晴らしい!

A2:第1部オープニングのあとに、第1話「怪物蟇法師」で、赤影と青影が登場するシーンが収録されています。坂口祐三郎の声がとても冴えています。

赤影:「影をお呼びか?」
青影:「影はここに」
(その者たちは?)
赤影:「飛騨の赤影」
青影:「同じく青影」

漫画の「赤影」に話を移しましょう。漫画の「赤影」も「伊賀の影丸」に比べるとかなり質が落ちるといわざるを得ません。「伊賀の影丸」で、はらはらどきどきさせられたあの感動は「赤影」では味わえませんでした。漫画の「赤影」は、影丸のように忍者同士の壮絶な闘いは見られず、忍者も赤影と青影だけです。(第二部では白影、紅影、黒影なども登場しますが、少しだけです。) 巨大な岩石が宙を飛ぶシーンがあったり巨大なガマガエルが出たり、巨大な神像が動いたりしてリアリティに欠けます。テレビの企画が先行していたというから、作者の本意ではなかったのかもしれませんが・・・。

漫画では、赤影の仮面がはずれ、素顔が出るシーンがあります。ヒーローが覆面や仮面で正体を明らかにしないのは、それなりの必然性があってのことで、正体を明かすときは最終回と相場が決まっていました。「仮面の忍者赤影」では、赤影が特に顔を隠す必要もなく、キャラクターデザインとして仮面をつけているだけなので、あっさり素顔を出したのでしょう。しかし、赤影には仮面を付けなければならないという必然性は全くないと言っていいでしょう。(「0戦仮面」(辻なおき作、少年キング連載)も、0戦のパイロットがなぜ覆面をしなくてはいけないのか?)

少年サンデーでは、第一部「金目教の巻」、第二部「うつぼ忍群の巻」、第三部「決戦うつぼ砦の巻」であっさり連載終了となります。「伊賀の影丸」が超人気漫画であっただけに、「仮面の忍者赤影」が「影丸」の二番煎じにならないよう苦心のあとが見られます。仮面なんかつけないで、同じ頃マーガレットに連載していた「コメットさん」の顔で、「くの一」(女忍者)の話にすれば、「影丸」とは全く違った面白い漫画になったのではないでしょうか? しかし、当時の少年漫画雑誌には、女の子自体もほとんど登場せず、ましてや、女の主人公というのは考えられなかったことです。(2003.9.21記)



伊賀の影丸
サンリツパンのコマーシャルです。「忍者の秘食:影丸が強いのもサンリツパンが大好きだからさ!」というキャッチフレーズになっていました。
君は人形劇「伊賀の影丸」を見たか?

主題歌は、コメットさん(九重佑三子)
の夫となった田辺靖雄&ヴォーカル・
ショップが歌っています。

「かげ〜、(ハッ)」というやつです。


−古い漫画のレコードなど−
                     

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