あかねちゃん
(みそっかす)

ちば てつや 作画



昭和43年5月30日発行
朝日新聞社 朝日ソノラマ
A面:あかねちゃん主題歌
    ドラマ「町っ子海っ子」
B面:ドラマ「町っ子海っ子」
   ヒデバロ・ソング

あかねちゃん主題歌
 作詞 高橋 友一郎
 作曲 淡の 圭一
  うた 松島 みのり
ヒデバロ・ソング
 作詞 高橋 友一郎
 作曲 淡の 圭一
  うた 高橋 和枝
定価 330円


右側:ヒデバロ・ソングがビデバロ・ソングとミスプリントされている。

        

うしろのベレー帽の人は、おさない頃の上条茜の面倒を見てくれた画家の草介おじさん、その横は白樺学園の秀才徳川義路、ちいさいのが北小路秀麿
原題は「みそっかす」です。週刊少女フレンドに連載されていました。
本サイトで紹介している朝日ソノラマ版のソノシートの中では、最も年代の新しい部類で昭和43年の発行です。値段も330円に上がっています。シート本のサイズも変更されており、280円のころは、たて19.5センチ、よこ20.5センチでしたが、この「あかねちゃん」のシート本は、たて23センチ、よこ20.5センチです。紙も厚くなっています。これまでのシート本は、レコードジャケットに漫画を掲載し、あくまでもレコードがメインでしたが、このサイズになると、絵本の付録にレコードがついているような感じがします。主題歌は、茜の声優松島みのり、副主題歌は秀麿の声優高橋和枝が歌っています。

タイトルが、「あかねちゃん」に変更されたのは、テレビ化に際し、一般受けするようにこのようにしたのでしょう。テレビ化に当たり、タイトルが変更されたのは、有名なものでは、「ゲゲゲの鬼太郎」があります。(原題:墓場の鬼太郎、その前、墓場鬼太郎、鬼太郎夜話) 「墓場の鬼太郎」は、少年マガジンの人気漫画でしたが、妖怪漫画であるということと、水木しげるの絵の雰囲気がテレビに合うかどうかということが非常に心配でした。テレビ初放送の感想は、鬼太郎、目玉のおやじなどのキャラクターも実際の漫画よりかわいらしくしてあり、いずみたくの主題歌も非常によくて安心しました。しかし、「ゲゲゲ」というタイトルだけは、「何でこんな変なタイトルにするんだ。」と友だちと話した記憶があります。(あかねちゃんのときも同じ)

テレビの「あかねちゃん」では、茜役の松島みのりのかしこそうな声と、これと全く対照的な北小路秀麿役の声、この声の対照が非常におもしろかったと思います。秀麿の声役の高橋和枝さんは、古くは鉄人28号の金田正太郎の声、新しくは、ごく最近までサザエさんのカツオの声をやっておられました。残念ながら昨年なくなられました。それにしても、この秀麿のような声がよく出るものだと感心します。やはり、プロの声優はすごいと思います。

講談社ちばてつや漫画文庫(昭和52年)表紙:「ハリスの旋風」石田国松「みそっかす」は、少女フレンドでは「島っ子」の後の連載で、「ハリスの旋風(かぜ)」の女の子版といったところです。茜は、上条家の三女として生まれましたが、体が弱かったため、紀伊の伯父さんのところに預けられ、小学校4年生のとき自分の家に戻ってきます。このとき同じクラスで隣の席になったのが、白樺学園創立者の孫、北小路秀麿でした。秀麿は、創立者の孫ということで、同級生からちやほやされますが、実際はばかにされており、茜はそんな秀麿をかわいそうに思います。秀麿は、心から自分に接してくれる茜を本能的に見抜いたのか、茜につきまといます。上条茜のことを「かびじょうあかれ」と発音していました。

ストーリーの最大の山場は、教頭たちの白樺学園乗っ取り計画を防ぐため、茜と秀麿が全国テスト大会に出場するところです。茜は、催眠術が得意で、テストはカンニングでごまかしていましたが、秀麿はまったく勉強が出来ません。この二人を全国の秀才が集まるテスト大会へ出場させたのも教頭たちの陰謀でした。テスト大会までの準備期間があまりありませんでしたが、担任の猛特訓を受け、秀麿が、数学と理科で満点(国語と社会は勉強時間がとれず0点)をとります。茜は4科目400点満点をとりますが、答案用紙に教頭たちの悪行をびっしりと書きこんで失格となります。しかし、これで教頭たちの陰謀がばれて、めでたし、めでたし、ということになります。

この漫画で一番のお気に入り箇所は、テスト大会に出るために、防空壕あとのほらあなで、秀麿が一人で「エックシュ、エックシュ、ワーイ、ワーイ、ジージョ、ジージョ、イコー、イコー」(X、X、Y、Y、二乗、二乗、=、=)といいながら勉強するところです。何ともいえない、いたいけな感じがします。「エックシュ、エックシュ、ワーイ、ワーイ」というところは、「ヒデバロ・ソング」の歌詞にもなっています。(2000.10.1記)


※「みそっかす」「島っ子」の単行本は、「紫電改のタカ」の項参照

−古い漫画のレコードなど−
                     

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