ひみつのアッコちゃん赤塚 不二夫 作画 |
昭和44年2月26日発行 朝日新聞社 朝日ソノラマ A面:うた「ひみつのアッコちゃん」 ドラマ「サーカス騒動」 B面:ドラマ「サーカス騒動」 うた「アッコちゃんすきすきすき」 ひみつのアッコちゃん 作詞 井上ひさし 山元 護久 作曲 小林 亜星 うた 岡田 恭子 アッコちゃんすきすきすき 作詞 井上ひさし 山元 護久 作曲 小林 亜星 うた 水森 亜土 定価 330円 |
ジャケットサイズは、「あかねちゃん」と同じで、絵本にソノシートが入っているような感じです。漫画は「おそ松くん」と同じ年、昭和37年に月刊「りぼん」で連載が始まっています。テレビは、昭和44年に放送され、平成元年にリメイク版が放送されました。
ある日、大切にしていた鏡が割れ、アッコちゃんがガッカリしているときに「かがみの国のおじさん」が現れます。おじさんは、割れた鏡の代わりに、なりたいもの何にでもなれる不思議な鏡をくれます。アッコちゃんは、このことをだれにも教えないでひみつにしておこうと決心します。それで「ひみつのアッコちゃん」というタイトルになっています。
アッコちゃんが鏡を見て変身(当時は、変身という言葉は一般的には使われていません。)するとき、テレビ版では「テクマクマヤコン、テクマクマヤコン、○○○になーれ。」と言っていましたが、漫画では、なりたいものの名前を逆さ読みします。例えば、妖精になりたいときは、「イセウヨになあれ。」と言います。テレビでは、声優が言いにくいし、見ている方も分かりにくいので変えたのでしょう。
テレビ版の「アッコちゃん」の顔はジャケットのとおりですが、漫画の「アッコちゃん」は「おそ松くん」の「トト子ちゃん」と同じです。「トト子ちゃん」は「おそ松くん」が「週刊少年サンデー」に連載されてから10回目くらいに初登場します。「おそ松くん」の「トト子ちゃん」を、少女漫画向けに「ひみつのアッコちゃん」として登場させたのでしょう。(その逆かも?) 「トト子ちゃん」をご存じない方は、「おそ松くん」のシート・レコードジャケットを見てください。
また、テレビ版に出てくる「大将」「少将」(ジャケット見開き下の写真、左下のデブちんとおしゃぶりを加えた二人)は、原作漫画では登場しません。カン吉も、漫画では「六つ子」を小さくしたようなキャラクターで、テレビ版のとはかなり違います。
このシート・レコードのドラマ「サーカス騒動」は、漫画の「アッコちゃんの大魔術の巻」をアレンジしたものでしょう。逃げたライオンをオリに戻すため、アッコちゃんが病気の調教師にばけるところが同じです。
漫画では、「おそ松くん」の「スキーのお宿はキビしいよの巻」(六つ子が一人分の宿代で旅館に泊まるが、チビ太扮する番頭にバレそうになり大騒動になる。)と似た設定のお話があります。「雪のお山は大さわぎの巻」は、アッコちゃんのお母さんが旅館の女将さんと同級生のため、いいへやにただで泊まらせてもらえるが、番頭のチビ太は、これに腹を立てアッコちゃんたちにいじわるをする、というお話です。どちらも同じ雪山旅館での話で、番頭のチビ太のおかげで、ドタバタ騒ぎとなります。チビ太の絵の感じが同じですので、ほぼ同じ頃に描かれたものと思われます。
もう一つ、「カン吉くんときよしこの夜の巻」は、とても心温まるお話です。カン吉は、女の子と二人暮らしのおじいさんが、雪の降る中、手袋もしないで外で働いているのを見て、手袋用にと自分のセーターをほどいて毛糸にし、女の子にあげます。クリスマスには、自分のケーキを我慢して女の子にあげます。最後は、アッコちゃんが天使になって、自分がモコちゃんへのプレゼント用として買ったオルゴールを女の子にプレゼントします。「ひみつのアッコちゃん」は、「おそ松くん」の一番おもしろい時期に描かれた漫画ですので、どのお話もとても充実しています。(2001.1.25記)
−古い漫画のレコードなど−