悪魔くん水木 しげる 作画 |
発行日 昭和41年12月5日 朝日新聞社 朝日ソノラマ A面:悪魔くん主題歌 なまけもの節 B面:ドラマ「妖怪の呪い!?」 悪魔くん主題歌 作詞 水木 しげる 作曲 山下 毅雄 うた ヴォーカルショップ なまけもの節 作詞 水木 しげる 作曲 山下 毅雄 うた ヴォーカルショップ 定価 280円 |
「悪魔くん」はテレビで放映されていたようですが、私の地方では映りませんでした。おそらく同級生もみんな見ていないと思います。ですから、テレビの「悪魔くん」については、学校で話題にものぼりませんでした。このシート本は、「悪魔くん」が少年マガジンに連載されていた頃のものです。
小学校時代、水木しげるの漫画は、「悪魔くん」「カッパの三平(河童の三平)」「墓場の鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)」を読んでいました。友だちに「水木しげるの漫画は面白い、読んで見ろ。」と言っても「気味が悪い。恐い。」といった感じで、敬遠していたものもいました。これらの漫画の雑誌連載版は、ゲゲゲの鬼太郎が「少年マガジン」から「少年サンデー」、カッパの三平が「ぼくら」から「少年サンデー(河童の三平)」、悪魔くんが「少年マガジン」から「少年ジャンプ(悪魔くん復活 千年王国)」といったように、講談社から小学館、講談社から集英社へとライバル誌に移って連載が再開されています。このあたりはどういった事情があるのでしょうか。
「悪魔くん」は、1万年にひとりという天才少年山田真吾(ニックネーム:悪魔くん)が、世界をひとつにし、争いのない幸福な社会を作るため、悪魔を呼び出しその力を利用する、というお話しです。「エロイムエッサイム われはもとめうったえたり」、魔法陣を囲んで呪文を唱えると悪魔(メフィスト)が出てきます。少年マガジン版の「悪魔くん」は小学校低・中学年向き、少年ジャンプ版の「悪魔くん」は小学校高学年から中学生向きに描かれているように思えます。どちらが好きかと言えば、マガジン版の方です。ジャンプ版(70年代)の「悪魔くん」は、マガジン版(60年代)よりも少し背が高く、顔も細長く描かれています。また、ジャンプ版の悪魔くんは子供らしさがなく冷たい感じになっています。(60年代と70年代の漫画の違い。70年代にはいると漫画描写がどぎつくなり、60年代のほのぼのとした雰囲気がなくなる。少年漫画のほとんどにこの傾向が見られた。)
水木しげるの作品は、他にも好きなものがたくさんありますが、「悪魔くん」「河童の三平」「ゲゲゲの鬼太郎」の中でどれが一番好きか、と聞かれれば迷わず「カッパの三平」と答えるでしょう。ぼくら版「カッパの三平」の童話的雰囲気がなんともいえません。みなさんももう一度読んでみられる事をお薦めします。(2001.9.2記)
−古い漫画のレコードなど−