快獣ブースカ

制作
日本テレビ
円谷プロダクション
東宝株式会社

快獣ブースカ　日本コロンビア １　快獣ブースカ 　　作詞　船橋　三四 　　作曲　宮内　国郎 　　うた　 高橋　和枝 　　　　　　みすず児童合唱団 ２　陽気なブースカ 　　作詞　宮　あきら 　　作曲　高梨　　純 　　うた　 高橋　和枝 ３　ブースカソング 　　作詞　船橋　三四 　　作曲　宮内　国郎 　　うた　 高橋　和枝 ４　ブースカ音頭 　　作詞　西田　　 一 　　作曲　宮内　国郎 　　うた　 高橋　和枝

「音楽面でいえば、円谷プロ作品の流れは、ウルトラＱ、ウルトラマン、ウルトラセブンというより、ウルトラＱ、ウルトラマン、快獣ブースカを一つの流れと見るべきでしょう。」とウルトラセブンの項で書きました。ブースカの主題歌を演奏だけにすると、「ウルトラＱ」や「ウルトラマン」での子どもが主役の物語にＢＧＭとしても使えます。音楽担当は、「ウルトラＱ」「ウルトラマン」と同じ宮内国郎です。

「快獣ブースカ」の主題歌は、ブースカの声を演じていた高橋和枝さんが歌っています。あかねちゃんの「ヒデバロ・ソング」はキャラクターの北小路秀麿の性格どおり少しヨタヨタ調で歌っていますが、このブースカは、メリハリのあるしっかりとした歌い方で、まるでサザエさんの磯野カツオが歌っているようです。（当然です。）

クレジットには「みすず児童合唱団」の名前がありますが、合唱は途中の「ブースカ、ブースカ、ブースカ、ブースカ」と四回繰り返すところだけで、実質的には高橋和枝さんのソロです。

ブースカは、天才発明少年「屯田大作」が発明したクスリ、「クロパラ」をイグアナにかけて作り出した快獣（怪獣ではありません。）です。ブースカの弟であるチャメゴンは、大作が、弟をほしがるブースカのために物体電送構成装置にリスを入れて誕生させました。当時、学校でクスリの調合がはやっていました。洗剤やせっけんなどを調合して、下敷きの落書きが楽に消せるクスリを発明しようというものです。家で洗剤やせっけん、調味料などをいろいろ混ぜてやってみました。せっけんや洗剤が入っているので消えるには消えますが、下敷きがぬるぬるしました。なぜこんなことが学校で流行ったのかは不明ですが、「快獣ブースカ」の「クロパラ」の影響でしょうか。あるいは、当時、紙せっけんが流行っていたからでしょうか。

最終回は突然ブースカとチャメゴンが宇宙の旅に出る、というものでしたが、自分にとっては、いきなり終わった、という感じでとても寂しかった記憶があります。

ブースカの仲間に、チョロ吉役の藤江喜幸という子役がいました。「快獣ブースカ」とちょうど同じ頃放映されていた渥美清の「泣いてたまるか」にも出演しています。「ぼくのお父ちゃん」というタイトルで、昭和４２年１０月１５日の放送でした。渥美清が、妻に逃げられたテキ屋（コウモリ傘を売る）の源太郎役で登場します。藤江喜幸はその息子の真一役でした。真一が作文の全国コンクールで総理大臣賞をもらい、表彰式で作文を読みますが、このとき源太郎がうれしさのあまり賞状を涙でにじませるシーンが非常に感動的です。しかし、このあと源太郎は、真一がもらったご褒美の賞金を全部飲み代に使ってしまいます。源太郎はこれまで、逃げられた女房から、再三、真一を養子によこすよう催促されていましたが、こんな自分に嫌気がさし、とうとう折れてしまいます。真一をわざと邪険にあつかい、母親のところに行かせます。このシーンは涙ものです。何度見ても涙が出てきます。「快獣ブースカ」もそうですが、この頃の白黒番組は、本当にいい番組が多かったと思います。

「快獣ブースカ」も、もう３０年以上見ていないことになりますが、もう一度見てみたい番組です。きっと思い出のシーンがたくさんあるはずです。もしかしたら、円谷プロ作品では、「ウルトラＱ」や「ウルトラマン」よりも「快獣ブースカ」の方が思い出のシーンは多いかもしれません。(2001.3.30記)

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