パトロールV

桑田 次郎 作画


この表紙とほとんど同じ構図の8マンのシート本がビクターミュージックブックシリーズにある。 発行日不明 昭和40年頃
ソノレコード株式会社

1 エイトマンの歌
2 パトロールVの歌

エイトマンの歌
 作詞 前田 武彦
 作曲 萩原 哲晶
  うた  ケーシー・浅沼
パトロールVの歌
 作詞 菅原 主
 作曲 橋場 清
  うた ケーシー・浅沼
定価 180円



 

8マンと違って乗り物に乗って移動する。少年マガジンに「8マン」が連載されていた頃、「こどもの光」という雑誌に連載されていた「パトロールV」です。この漫画は原作付きではなく、桑田次郎のオリジナルです。パトロールVは、デザイン的に8マンとは甲乙つけがたいほどのロボットに仕上がっていると思います。しかし、8マンの方がもう少し黒っぽくて重量感、存在感があることと、8マンの目の下からあごにかけて一筋の線が入っているところが、私には涙に見えて好きなのです。

パトロールVは、ロボット生産局で製造された警視庁のアンドロイド(高性能ロボット)です。この漫画は、8マンの焼き直しと言えなくもない作品で、例えば、「超人サイバー」で8マンが両手両足を掴まれ吊るされるシーンがありますが、これと全く同じシーンが出てくるなど、手抜きと思われるところが少し見受けられます。桑田次郎が人気絶頂の頃ですから忙しかったんでしょうね。きっと、絵を描くだけで精一杯だったんでしょう。桑田次郎は、「パトロールVの構造図こどもの光」には、「東京Zマン」という漫画も描いています。悪と戦うZマン本部に兄妹が入隊しており、それぞれが活躍し、また、互いに面識があるのに、ヘルメットを被っているため、最後までお互いに兄、妹だとわからなかったという設定になっていて、これはマイナー雑誌に連載されていたにもかかわらず、なかなかの力作だったと思います。

このシート本には、「殺人鬼グロー」というお話しが載っていますが、シートには、このドラマは収録されていません。「殺人鬼グロー」はパトロールVのオリジナル漫画に同じ話があります。シートに収録されているのは主題歌が2曲だけです。このシート本の表紙の絵は「パトロールV」ですが、タイトルは「8マン」の方が大きく扱われています。8マンの主題歌は入ってはいますが、このシート本の主体は「パトロールV」と思われますので、こちらのタイトルを大きくすべきところです。しかし、売るためには知名度の高い「8マン」にしなければいけないんでしょうね。パトロールVは8マンにそっくりなので、間違って買った人もいたことでしょう。

パトロールVの歌は、ちょっと青春ドラマ風の曲ですが、この曲を聴くために、このシート本を買おうとした人は少ないのではないでしょうか。おそらく8マンの主題歌目当てでしょうね。しかし、このシートレコードの「エイトマンの歌」はオリジナルの克美しげるの歌唱ではありませんので、ガッカリした人も多かったことでしょう。


(ここから「8マン」の話題になります。)
8マンの稿の最後に次のように書きました。

「エイトマンが最強の敵と相打ちになり、ボディは破壊されるが電子頭脳だけ残る。谷博士は、東八郎の肉体を冷凍しており、新技術によりエイトマンの電子頭脳にコピーした東八郎の性格、記憶などを元に戻す。東はさち子とめでたく結婚する。最終回をこのようにすればおもしろいと思いませんか?」

これを書いたのは、もう相当前になりますが、実際の漫画版8マンの最終回はさびしいものです。(さち子に正体を知られてしまった8マンが、さち子の前から立ち去ることを決意し、二度と現れない。) テレビ版エイトマンでも、東が8マンであることがさち子さんにばれる話があります。第40話「透明ロボット・ジュピター」です。デーモン博士に東探偵が8マンであることを教えられ、さち子はショックで探偵事務所に出勤しなくなる。半信半疑で久しぶりに事務所に来たとき、たまたま東が8マンに変わるシーンに出くわす。あこがれの東が8マンに変わるのを目の当たりに見てさち子は大ショック。しかし、最後に谷博士に頼んで・・・。こんなことができるなら、漫画版で8マンが立ち去らなくてもよかったのでは?

漫画版の最終話「魔人コズマ」は、当時の声優でドラマ化され、CDが発売されています。(すでに廃盤。)
当たり前ではありますが、8マン役の高山栄さんの声は少し変わっているようで、さち子役の上田みゆきさんの声は当時より大人っぽくなっています。このドラマは力作で結構楽しめますが、少し気になる点があります。
8マンが東探偵だったということがばれてしまうシーンで、「東さんが人間ではなくロボットだったなんて!!」とさち子が絶叫するところがあります。「ウルトラセブン」でダンがアンヌに正体を明かしたとき、アンヌが「人間であろうと宇宙人であろうとダンはダンにかわりない。」と冷静に対応したように、ここはもう少し押さえて表現してもらいたかったですね。でないと8マンがあまりにも気の毒です。(2005.6.5記)

※ 「パトロールV」は、ジャケットのみ所有しています。「パトロールVの歌」については、「耳を澄ませば」のmacsymaさんに録音していただいたもので確認しました。


私の小学校時代のおもな桑田次郎連載漫画
昭和 少年マガジン 少年キング まんが王 少年画報 ぼくら 少年ブック
38年 8マン キングロボ        
39年 8マン キングロボ
エスパー3
  まぼろし探偵
(新シリーズ)
   
40年 8マン 少年ジュピター
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ビッグトーリィ
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43年 ウルトラセブン   ビッグトーリィ
インベーダー
  豹マン 怪奇大作戦
44年           怪奇大作戦
備考 パトロールV:「こどもの光」昭和39年〜40年
東京Zマン :「こどもの光」昭和42年〜45年



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