YOKO ONO


古い漫画のレコードなど


これまで、YOKO ONOの音楽が好きだ、という人にあったことがない。したがって、小野洋子の音楽について、あれがいいとか、これが悪いとか、誰かと語り合ったこともない。

やはり、初期のスクリーミング曲のイメージが悪すぎたのだろう。
しかし、小野洋子には、親しみやすいきれいな曲もたくさんある。「Mrs.Lennon」「Sisters,O Sisters」「Winter Song」「Let Me Count The Ways」「A Story」「I Want My Love To Rest Tonight」「Remember Love」「Who Has Seen The Wind」「Listen,The Snow Is Falling」等々。小野洋子の曲の奥底には、日本のメロディーが流れている。

小野洋子さんは、昭和8年生まれ。今年(01年)68才。「Rising」(95年)を発表したときが、62才。世間一般では、おばあちゃんになっていて当たり前の歳である。しかし、とても、おばあちゃん世代の人が歌っているとは思えない。「Fly」のとき(38才)と全く変わらない。たいしたものだ。


ジョンはいつの間にか、神様になってしまった。「ジョンは人々に愛や平和を訴え続けた。」 本当か?それは。生きているときは、そんな言い方はされていなかったぞ。「Imagine」に、個人攻撃の曲を入れ、個人を嘲笑したポートレートまで付けて、何が「人間は皆兄弟」か。世界平和を願いながら、個人攻撃をする、好き勝手な生活を送りながら世界平和を訴える。これは、おかしいぞ。やっぱり。説得力はない。世間ではこういうのを一般に偽善というのではないか。当時の音楽評論家がよくアルバムを批判するとき使っていた「アルバムとしてトータル性に欠ける。」という言葉は、そのまま、アルバム「Imagine」にあてはまるのではないか。(CDで、好き勝手に曲順を並べ替えて聴くことができるようになった今では、アルバムのトータル性など、全く無意味といえる。当時の音楽評論家はアルバムに何を求めていたのだろう。)
昔からのファンとして、もうこれ以上、ジョン・レノンを神様や聖人扱いしてほしくない。うんざりだ。(2001.5.12記)



注)発売年月は、英国のもの。


Fly/YOKO ONO
A 1 Midsummer New York
2 Mind Train
B 1 Mind Holes
2 Don't Worry Kyoko
3 Mrs.Lennon
4 Hirake
5 Toilet Piece/Unknown
6 O'Wind(Body Is The Scar Of Your Mind)
C 1 Airmale(Tone Deaf Jam)
2 Don't Count The Waves
3 You
D 1 Fly
2 Telephone Piece
71年9月
「YOKO ONO PLASTIC ONO BAND」に次ぐ2枚目のソロ・アルバム。米国では、「Imagine」とほぼ同時に発売。B3「Mrs.Lennon」を聴きたいがために、買うか買うまいかさんざん迷ったアルバム。CD化されてようやく「Mrs.Lennon」を手に入れた。アルバム中、きれいな曲はこれだけ。CDには、「Between The Takes」「Will You Touch Me」の2曲がボーナス・トラックとして収録されている。

B2「Don't Worry Kyoko(京子ちゃん心配しないで)」は、シングル「Cold Turkey」のB面。B4「Hirake」は、「Power To The People」のB面に、「Open Your Box」という英語のタイトルで収録されている。この曲は、「Mother」のB面だった「Why」と一緒に、「我慢比べだ!」といって、S君、Y君、U君と一緒に聴いていた。「Open Your Box」の方が比較的聴きやすい。



Sometime In New York City/JOHN&YOKO PLASTIC ONO BAND WITH ELEPHANTS MEMORY AND INVISIBLE STRINGS
A 1 Woman Is The Nigger Of The World
2 Sisters,O Sisters
3 Attica State
4 Born In A Prison
5 New York City
B 1 Sunday Bloody Sunday
2 The Luck Of The Irish
3 John Sinclair
4 Angela
5 We're All Water
C 1 Cold Turkey
2 Don't Worry Kyoko
D 1 Well(Baby Please Don't Go)
2 Jamrag
3 Scumbag
4 Au
72年6月
ビートルズ解散後のジョンでは、最も好きなアルバム。
「Sisters,O Sisters」は、このアルバムで、最もよく聴いた曲。まだ、小野洋子の曲自体が少なかったため、この曲と「Remember Love」(「Give Peace A Chance」のB面)、「Who Has Seen The Wind」(「Instant Karma」のB面)と「Sisters,O Sisters」を繰り返し聴いていた。このアルバム発売時点においては、日本では、「Listen,The Snow Is Falling」(「Happy Xmas」のB面)は、まだ発売されていなかった。「Listen〜」を聴いて、ますます小野洋子の曲が好きになった。B2「The Luck Of The Irish」とB4「Angela」は、ジョンとの共作。

このアルバムは2枚組で、2枚目はライブ盤。C面がプラスティック・オノ・スーパー・バンドのライブ。D面が、フランク・ザッパ&マザーズとのジャム・セッション。D3「Scumbag」は、ジョンが最初から最後まで、scumbag, scumbagと繰り返す曲であるが、日本人が聴いても意味が分からないからよいが、意味を知ったら聴けたものではない。このライブ盤でのD4「Don't Worry Kyoko」を聴くには忍耐が必要。



Approximately Infinite Universe/YOKO ONO
A 1 Yang Yang
2 Death Of Samantha
3 I Want My Love To Rest Tonight
4 What Did I Do!
5 Have You Seen A Horizon Lately
B 1 Approximately Infinite Universe
2 Peter The Dealer
3 Song For John
4 Catman(The Roses Are Coming)
5 What A Bastard The World Is
6 Waiting For The Sunrise
C 1 I Felt Like Smashing My Face In A Clear Glass Window
2 Winter Song
3 Kite Song
4 What A Mess
5 Shiranakatta(I Didn't Know)
6 Air Talk
D 1 I Have A Woman Inside My Soul
2 Move On Fast
3 Now Or Never
4 Is Winter Here To Stay?
5 Looking Over From My Hotel Window
73年1月
邦題「無限の大宇宙」、これぞ、小野洋子の大傑作。前作「Fly」には、まだ、あの「叫び」だけの曲が多かった(特に「Fly」の2枚目は、すべてスクリーミング曲だ。)。当時、非常に評判の悪かった、小野洋子のスクリーミング曲は、このアルバム以降、姿を消した。(95年に発売された「Rising」で1曲聴くことができる。)

特におすすめは、A3「I Want My Love To Rest Tonight」、A5「Have You Seen A Horizon Lately」、B3「Song For John」、B5「What A Bastard The World Is」、C2「Winter Song」、C5「Shiranakatta(I Didn't Know)」、D1「I Have A Woman Inside My Soul」、D3「Now Or Never」である。


このアルバムは、高校時代からの愛聴盤で、今でもよく聴くアルバムの一つである(今はCDで聴いているが・・・)。
A3「I Want My Love To Rest Tonight」は、淡々と曲が流れていくが、徐々に盛り上がり、最後の部分でジョンのハモりが聴ける。この部分は最高。ジョン・レノンのファンで、まだ、この曲を聴いたことがない人は、必聴。C2「Winter Song」は、このアルバム中、最も美しいメロディを持った小品。このアルバムでしか聴けない。CD6枚組の「ONO BOX」にも収録されていなかった。私の愛唱歌の一つでもある。C4「What A Mess」は、可愛いらしく歌っているが、歌詞の内容はどぎつい。C5「Shiranakatta(I Didn't Know)」は、同じ歌詞を日本語、スペイン語、英語の順で歌っている。

このアルバムからのシングル・カットは、「
Now Or Never」と「Move On Fast」のカップリングと、「Death Of Samantha」と「Yang Yang」のカップリングの2枚である。



Feeling The Space/YOKO ONO PLASTIC ONO BAND&SOMETHING DIFFERENT
A 1 Growing Pain
2 Yellow Girl(Stand By For Life)
3 Coffin Car
4 Woman Of Salem
5 Run,Run,Run
6 If Only
B 1 A Thousand Times Yes
2 Straight Talk
3 Angry Young Woman
4 She Hits Back
5 Woman Power
6 Men,Men,Men
73年11月
邦題は「空間の感触」。半年前にシングル「女性上位ばんざい」が、日本だけで発売されている。同時期に、ジョンは「Mind Games」、ポールは「Band On The Run」、リンゴは「Ringo」をリリースしている。前作「無限の大宇宙」にくらべ、よりポップな仕上がりとなっている。「YOKO ONO PLASTIC ONO BAND」や「Fly」の頃のイメージを完全に払拭している。ただ、前作ほどの力強さは感じられず、ソフトにまとまったアルバム、という印象である。これはお薦め、という曲はない。

このアルバムがリリースされた頃、
ジョンは中国人の愛人と同棲しており、ジョンとヨーコは別居中であった。芸能人(アーティストと言った方がよいか?)のことだから、「もうこりゃ、破局だ、離婚間違いなし。」と思っていた。



Season Of Glass/YOKO ONO
A 1 Goodbye Sadness
2 Mindweaver
3 Even When You're Far Away
4 Nobody Sees Me Like You Do
5 Turn Of The Wheel
6 Dogtown
7 Silver Horse
B 1 I Don't Know Why
2 Extension 33
3 No,No,No
4 Will You Touch Me
5 She Gets Down Her Knees
6 Toyboat
7 Mother Of The Universe
81年6月
「空間の感触」以来、8年ぶりのソロ・アルバム。ジョンが亡くなって、半年後に発売された。悲しみに満ちたアルバムである。ジャケットの血染めの眼鏡は、何とも痛ましい。眼鏡横の、水が半分入ったコップは何を意味しているのだろう。歌詞カードには、1981年5月6日の洋子さんの手記が掲載されている。これによると、最初に歌おうとしたとき、喉が詰まって、声がつぶれ、アルバム制作を諦めようとしたこともあるようである。しかし、ジョンの死後、こんなに早くアルバム制作に取り組んだということは、早く悲しみから訣別したかったのだろうと思う。

A6「Turn Of The Wheel」、B4「Will You Touch Me」、B5「She Gets Down Her Knees」は、97年に発売されたアルバム「A Story」を聴くまで、印象に残っていなかった。しかし、「A Story」でテイク違いを聴いて、見直した曲である。B2「Extension 33」とB3「No,No,No」は一風変わった雰囲気の曲。



It's Alright/YOKO ONO
A 1 My Man
2 Never Say Goodbye
3 Spec Of Dust
4 Loneliness
5 Tomorrow May Never Come
B 1 It's Alright
2 Wake Up
3 Let The Tears Dry
4 Dream Love
5 I See Rainbows
82年11月
前作「Season Of Glass」より明るい雰囲気になっている。「私は深い悲しみから立ち直りましたよ。」と宣言しているようなアルバムである。しかし、アレンジはあまり好きではない。A4「Loneliness」、A5「Tomorrow May Never Come」は、「A Story」版(97年)のほうがアレンジがいいため、ずっと聴きやすくなっている。

今回、7、8年ぶりにこのアルバムを聴いてみたが、B4「Dream Love」くらいしか印象に残っていない。発売時期が、ちょうどクラシックに懲りだした頃と重なっているため、他のロックやポップスのレコード同様にあまり聴いていないアルバムであった。






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