続・お勉強の部屋
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漫画やレコードの話ばかりでは何ですので、ちょっとまじめに・・・。 珍しいハードカバーの文庫本を紹介します。旺文社文庫の特製版50冊セットです。中学校入学祝いに買ってもらったものです。50冊セットですから、結構いい値がしたと思います。木製(濃いこげ茶色)の本棚付きでした。この本棚は、今ではバラして、物置の棚として利用しています。 中学生になったばかりの頃は、これまで小説など読んだこともないし、50冊もの本が読めるものかと、少し抵抗がありました。しかし、このセットが、漫画以外の本を読むきっかけとなりました。今では親に感謝しております。セットの内容を見てお分かりのように、中学生向けに書物が選ばれています。夏目漱石が5冊もあります。現在、「地獄変・戯作三昧」「若草物語」「風車小屋だより」の3冊が行方不明になっています。 ハードカバーの特別装丁ですので、通常のものよりも値段が少し高くなっています。下の表を見ていただくと分かりますが、通常の旺文社文庫よりも70円から90円くらい高くなっています。紙質もよく、高校時代に買った他の文庫本の紙が茶色にくすんでいるのに、これらはいまだにきれいです。 50冊すべて、発行年月日が昭和43年6月1日で、版の表示がありません。おそらく、このときだけの特別版で、昭和43年か昭和44年の中学新入生がターゲットだったのでしょう。このセットがいつまで発売されていたのか、また、別のセットがあったのかは分かりません。 中学生向けの選集ですが、肝心の中学時代に読んだのは、「坊ちゃん」と「鼻」と「トロッコ」くらいのものです。「吾輩は猫である」を読みかけたのですが、ページ数が多く、このときは断念しました。高校時代は、読書感想文を書くために「生れ出づる悩み」を読み、ほかに「友情・愛と死」「若き日の思い出」「二十四の瞳」「車輪の下」など、卒業までに読んだのは15冊くらいです。残りは、大学時代に読みましたが、「次郎物語」、「土」、「レ・ミゼラブル」、「アンクル・トムの小屋」、「大地」、「シートン動物記」はいまだに読んでいません。高校時代には、これ以外にも何冊かは文庫本を購入しています。自分のこづかいで買った最初の文庫本は、「山の音」(川端康成:旺文社文庫)、「川のある下町の話」(川端康成:旺文社文庫)、「わたしが・棄てた・女」(遠藤周作:講談社文庫)のどれかだったと思います。 小説を本格的に読み出したのは、大学に進学してからで、値段の安い文庫本を手当たり次第に読んだものです。装丁は、新潮文庫が一番好きで、二番目に好きなのが旺文社文庫でした。同じタイトルがあるときは、新潮社文庫、旺文社文庫、講談社文庫、角川文庫、岩波文庫の順で、書店に置いてあるものから買うようにしていました。岩波文庫は、当時は、カバーがなくパラフィン紙がついており、パラフィン紙が折れたり、破れたりで扱いにくかったため、岩波文庫でしか読めないもの以外は他の文庫を買っていました。 ここで紹介している作品は、当時は誰もが教養として、書名くらいは知っておくべきとされていたものばかりです。しかし、これらは今では普通の書店ではほとんど見かけません。かなり大きな書店に行かないとないものばかりです。 最後に・・・ 旺文社文庫は、シリーズ全体が廃刊になっています。誠に残念なことです。(2002年9月21日 記) |
ジャンル | 書 名 | 併 録 | 著 者 | 発行年月日 | 番 号 | 定価 | 通常版 |
日本文学 | 吾輩は猫である | 僕の昔 | 夏目漱石 | 昭和43年6月1日 | 615−01 | 290円 | 200円 |
坊ちゃん・草枕 | 私の経過した学生時代 | 夏目漱石 | 昭和43年6月1日 | 615−02 | 240円 | 160円 | |
友情・愛と死 | 小さき世界 | 武者小路実篤 | 昭和43年6月1日 | 615−03 | 260円 | 190円 | |
伊豆の踊子・花のワルツ | 十六歳の日記・十七歳 | 川端康成 | 昭和43年6月1日 | 615−04 | 220円 | 150円 | |
次郎物語(上)第一部・第二部 | 下村湖人 | 昭和43年6月1日 | 615−05 | 340円 | 280円 | ||
次郎物語(中)第三部・第四部 | 下村湖人 | 昭和43年6月1日 | 615−06 | 340円 | 280円 | ||
次郎物語(下)第五部 | 下村湖人 | 昭和43年6月1日 | 615−07 | 280円 | 220円 | ||
野菊の墓 | 紅黄緑・奈々子・去年 | 伊藤左千夫 | 昭和43年6月1日 | 615−08 | 180円 | 100円 | |
阿部一族・雁・高瀬舟 | 森鴎外 | 昭和43年6月1日 | 615−09 | 240円 | 160円 | ||
二十四の瞳 | ピアノ・極楽横丁 | 壺井栄 | 昭和43年6月1日 | 615−11 | 250円 | 180円 | |
武蔵野・牛肉と馬鈴薯 | ※1 | 国木田独歩 | 昭和43年6月1日 | 615−14 | 180円 | 100円 | |
羅生門・鼻・侏儒の言葉 | 杜子春・トロッコ | 芥川龍之介 | 昭和43年6月1日 | 615−15 | 200円 | 120円 | |
生れ出づる悩み | ※2 | 有島武郎 | 昭和43年6月1日 | 615−16 | 200円 | 120円 | |
土 | 長塚節 | 昭和43年6月1日 | 615−17 | 280円 | 200円 | ||
父帰る・恩讐の彼方に | ※3 | 菊池寛 | 昭和43年6月1日 | 615−18 | 240円 | 170円 | |
和解・城の崎にて | ※4 | 志賀直哉 | 昭和43年6月1日 | 615−20 | 220円 | 150円 | |
三四郎 | 落第 | 夏目漱石 | 昭和43年6月1日 | 615−21 | 240円 | 150円 | |
あすなろ物語 | 川の話 | 井上靖 | 昭和43年6月1日 | 615−26 | 230円 | 160円 | |
舞姫・山椒大夫 | ※5 | 森鴎外 | 昭和43年6月1日 | 615−28 | 200円 | 120円 | |
地獄変・戯作三昧 | ※6 | 芥川龍之介 | 昭和43年6月1日 | 615−? | ? | 120円 | |
それから | 自転車日記 | 夏目漱石 | 昭和43年6月1日 | 615−35 | 240円 | 160円 | |
門 | 京に着ける夕 | 夏目漱石 | 昭和43年6月1日 | 615−36 | 230円 | 140円 | |
若き日の思い出 | 馬鹿一 | 武者小路実篤 | 昭和43年6月1日 | 615−39 | 260円 | 190円 | |
夕鶴・彦市ばなし | ※7 | 木下順二 | 昭和43年6月1日 | 615−40 | 250円 | 180円 | |
母のない子と子のない母と | 坂道 | 壺井栄 | 昭和43年6月1日 | 615−53 | 250円 | 180円 | |
外国文学 | レ・ミゼラブル(上)縮訳版 | ユゴー/大久保和郎訳 | 昭和43年6月1日 | 625−03 | 310円 | 240円 | |
レ・ミゼラブル(下)縮訳版 | ユゴー/大久保和郎訳 | 昭和43年6月1日 | 625−03 | 300円 | 230円 | ||
車輪の下 | ヘッセ/岩淵達治訳 | 昭和43年6月1日 | 625−13 | 220円 | 150円 | ||
黒猫・黄金虫 | ※8 | ポー/刈田元司訳 | 昭和43年6月1日 | 625−15 | 220円 | 150円 | |
桜の園・三人姉妹 | かわいい女 | チェーホフ/佐々木彰訳 | 昭和43年6月1日 | 625−16 | 240円 | 170円 | |
あしながおじさん | ウェブスター/中村佐喜子訳 | 昭和43年6月1日 | 625−18 | 210円 | 140円 | ||
若草物語 | オールコット/恩地三保子 | 昭和43年6月1日 | 625−? | ? | 220円 | ||
にんじん | ルナール/辻昶訳 | 昭和43年6月1日 | 625−20 | 230円 | 160円 | ||
ヴェニスの商人 | シェイクスピア/大山敏子訳 | 昭和43年6月1日 | 625−26 | 210円 | 140円 | ||
アンクル・トムの小屋(上) | ストウ夫人/大橋吉之輔訳 | 昭和43年6月1日 | 625−32 | 260円 | 190円 | ||
アンクル・トムの小屋(下) | ストウ夫人/大橋吉之輔訳 | 昭和43年6月1日 | 625−33 | 290円 | 220円 | ||
大地(上)第一部 | パール・バック/佐藤亮一訳 | 昭和43年6月1日 | 625−41 | 290円 | 220円 | ||
大地(中)第二部 | パール・バック/佐藤亮一訳 | 昭和43年6月1日 | 625−42 | 340円 | 270円 | ||
大地(下)第三部 | パール・バック/佐藤亮一訳 | 昭和43年6月1日 | 625−43 | 330円 | 260円 | ||
十五少年漂流記 | ヴェルヌ/金子博訳 | 昭和43年6月1日 | 625−53 | 220円 | 150円 | ||
風車小屋だより | ドーデ/大久保和郎訳 | 昭和43年6月1日 | 625−? | ? | 150円 | ||
ロビンソン・クルーソー | デフォー/佐山栄太郎訳 | 昭和43年6月1日 | 625−62 | 270円 | 200円 | ||
赤い花・信号 | ※9 | ガルシン/小沼文彦訳 | 昭和43年6月1日 | 625−74 | 240円 | 170円 | |
伝 記 | シュワイツァー | 山室静 | 昭和43年6月1日 | 635−02 | 240円 | 170円 | |
ベートーベン | 諸井三郎 | 昭和43年6月1日 | 635−06 | 230円 | 160円 | ||
ケネディ | 中屋健一 | 昭和43年6月1日 | 635−07 | 240円 | 170円 | ||
キュリー夫人 | 松岡洋子 | 昭和43年6月1日 | 635−09 | 240円 | 170円 | ||
ゴッホ | 嘉門安雄 | 昭和43年6月1日 | 635−13 | 260円 | 190円 | ||
教 養 | シートン動物記(上) | シートン/小林清之介訳 | 昭和43年6月1日 | 645−12 | 270円 | 200円 | |
シートン動物記(下) | シートン/小林清之介訳 | 昭和43年6月1日 | 645−13 | 270円 | 200円 | ||
※1 | 少年の悲哀・空知川の岸辺・春の鳥・あの時分 | ||||||
※2 | 小さき者へ・カインの末裔・一房の葡萄 | ||||||
※3 | 忠直喞行状記・出世・蘭学事始・入れ札・屋上の狂人・藤十郎の恋・時の氏神 | ||||||
※4 | 清兵衛と瓢箪・小僧の神様・焚火・濠端の住まい | ||||||
※5 | うたかたの記・文づかひ・安井夫人・最後の一句 | ||||||
※6 | 或る日の大石内蔵助・芋粥・藪の中・好色・枯野抄・大導寺信輔の半生 「地獄変・戯作三昧」は、現在、行方不明になっていますので、その他6編を記憶で書いています。「或る日の大石内蔵助・芋粥・ 藪の中」は間違いないと思いますが、他の3編は自信がありません。御存知の方はお知らせ下さい。 |
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※7 | おんにょろ盛衰記・山の背くらべ・絵姿女房・瓜子姫とアマンジャク・女工哀史・百姓女たよ・阿詩瑪 | ||||||
※8 | 赤死病の仮面・アッシャー家の崩壊・モルグ街の殺人・ウィリアム-ウィルソン | ||||||
※9 | アッタレーア-プリンケプス・四日間・めぐりあい・ナジェジュダ-ニコラーエヴナ |