ゴジラ

東宝映画



THE BEST SELECTED MUSIC FROM GODZILLA
"Then"1954-1975
東芝EMI株式会社

「ゴジラ」「ゴジラの逆襲」「キングコング対ゴジラ」
「モスラ対ゴジラ」「三大怪獣 地球最大の決戦」
「怪獣大戦争」「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」「怪獣総進撃」
「ギジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃」
「ゴジラ対へドラ」「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」
「ゴジラ対メガロ」「ゴジラ対メカゴジラ」
「メカゴジラ」の逆襲」

サウンド・トラック(CD)



我が家のゴジラ



伊福部昭の芸術4 
宙(ちゅう)−伊福部昭 SF交響ファンタジー
1 SF交響ファンタジー第1番(1983年初演)
2 SF交響ファンタジー第2番(1983年初演)
3 SF交響ファンタジー第3番(1983年初演)
4 倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク(1972年/1983年初演)
広上淳一指揮/日本フィルハーモニー交響楽団


伊福部昭の芸術5 
楽(らく) 協奏風交響曲/協奏風狂詩曲
1 ピアノと管弦楽のための協奏風交響曲(1941年初演)
第1楽章:ヴィヴァーチェ・メカニコ
第2楽章:レント・コン・マリンコニア
第3楽章:アレグロ・バルバロ
舘野 泉(ピアノ)
大友直人指揮/日本フィルハーモニー交響楽団
2 ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲(1948年/1971年初演)
第1楽章:アダージョ−アレグロ
第2楽章:ヴィヴァーチェ・スピリトーソ
徳永二男(ヴァイオリン)
広上淳一指揮/日本フィルハーモニー交響楽団


          

初めてゴジラの映画を見たのは、「キングコング対ゴジラ」(1962年)です。最後のシーン、キングコングとゴジラが格闘しながら崖から転落し、海の彼方に去っていく場面が、幼心にしっかりと刻みこまれました。次に見たのは、「モスラ対ゴジラ」(1964年)です。これは、善玉(モスラ)と悪玉(ゴジラ)がはっきりしていて、子供にも大変わかりやすい作品です。ザ・ピーナッツが歌う「モスラの歌」が有名です。

劇場公開前から非常に楽しみにしていたのが、「三大怪獣 地球最大の決戦」(1964年)です。小学校の帰り道、映画の宣伝ポスターを見ては、ゴジラよりも大きく、頭が三つもある怪獣(キングギドラ)を早く見たいと思っていました。実際に見て驚いたのが、この作品から一時的ではありますが、ゴジラが正義の味方になったことです。しかし、ここで、ゴジラを人類の味方にしてしまったことにより、のちのゴジラシリーズの展開に少々無理が生じたのではないでしょうか。

「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」(1966年)と「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」(1967年)は全く期待はずれでした。「南海の大決闘」の特技監督はこれまでどおり円谷英二監督ですが、音楽が伊福部昭でありませんでした。音楽が代わるだけでその映画の雰囲気はガラリと変わります。さらに、「ゴジラの息子」になると、円谷監督の名前もなくなっています。いつしか、怪獣ブームも去り、ゴジラは消えました。それから約10年後にゴジラが復活したとき、嬉しいような嬉しくないような複雑な気持ちでした。

ゴジラで忘れてはならないのが、伊福部昭の音楽です。「伊福部昭の芸術4 宙(ちゅう)−伊福部昭 SF交響ファンタジー」は、伊福部昭が、怪獣映画ファンのために、フル・オーケストラ用に編曲したものです。
その構成は、次のとおりです。

●SF交響ファンタジー第1番

「ゴジラ」「キングコング対ゴジラ」「宇宙大戦争」「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」「三大怪獣 地球最大の決戦」「怪獣総進撃」

●SF交響ファンタジー第2番
「奇巖城の冒険」
「三大怪獣 地球最大の決戦」「キングコング対ゴジラ」「モスラ対ゴジラ」「大怪獣バラン」「キングコングの逆襲」「サンダ対ガイラ」「空の大怪獣ラドン」

●SF交響ファンタジー第3番
「怪獣総進撃」「キングコングの逆襲」「海底軍艦」「キングコング対ゴジラ」「地球防衛軍」

●倭太鼓とオーケストラのためのロンド・イン・ブーレスク
「ゴジラ」「怪獣大戦争」「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」「わんぱく王子の大蛇退治」

「伊福部昭の芸術5 楽(らく) 協奏風交響曲/協奏風狂詩曲」の「ヴァイオリンと管弦楽のための協奏風狂詩曲」は、ゴジラのメロディの原型となった作品として名高いものです。第1楽章にあの有名な旋律が出てきます。(2000.12.8記)


円谷英二と伊福部昭の作品
タイトル 公開年 特技監督 音楽
「ゴジラ」 1954 円谷英二 伊福部昭
「ゴジラの逆襲」 1955 円谷英二  
「キングコング対ゴジラ」 1962 円谷英二 伊福部昭
「モスラ対ゴジラ」 1964 円谷英二 伊福部昭
「三大怪獣 地球最大の決戦」 1964 円谷英二 伊福部昭
「怪獣大戦争」 1965 円谷英二 伊福部昭
「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」 1966 円谷英二  
「怪獣島の決戦 ゴジラの息子」 1967    
「怪獣総進撃」 1968   伊福部昭
「ギジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃」 1969    
「ゴジラ対へドラ」 1971    
「地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン」 1972   伊福部昭
「ゴジラ対メガロ」 1973    
「ゴジラ対メカゴジラ」 1974    
「メカゴジラ」の逆襲」 1975   伊福部昭



昔からゴジラ音楽(というよりも伊福部音楽)が好きだった。小学生の頃、一緒にゴジラ映画を見ても、「怪獣がすごかった。」という友だちはいたが、「音楽がよかった。」という友だちは一人もいなかった。ゴジラの音楽の話をしても誰も関心を示さなかった。「伊福部昭」という名を知ったのは高校か大学の頃である。「ゴジラ」「大魔神」「わんぱく王子の大蛇退治」などの音楽の作曲者が伊福部昭だということはその時わかった。

「ゴジラ」の音楽の話をしても通じる者がいないので、自分は変わり者だろうと思っていた。ところが、突然ゴジラ音楽がメジャーになったことがあった。84年のゴジラ復活により新しいファンができたからかもしれない。その時、「ゴジラ音楽のファンは結構多い。」と思った。しかし、メジャーになったのは「ゴジラ」のタイトル・テーマだけで、しかも、それがお笑い番組に使われたりしてガッカリした。かつて志村けんが童謡「七つの子」をギャグに使っていたときと同じ気持ちになった。こんなことなら、一部のマニアだけの音楽であってほしかった。

「モスラ対ゴジラ」(64年)は、作品的にも音楽的にも、ゴジラ・シリーズ屈指の名作で、怪獣映画の最高峰に位置する作品だと思っている。モスラの成虫は死んでいたので、モスラの卵だけが頼みの綱。しかし、映画を見ていた誰しもが「卵が無事に孵っても、幼虫であのゴジラに勝てるだろうか?」と思っていた。が、孵化してビックリ。双児だったのだ。これで安心しましたね。「1匹なら危ないが、2匹なら何とかなる!」子供たちはみなこう思って胸をなで下ろしたのである。封切りを見たみなさん、あの時の気持ちを覚えてますか?

同じ「ゴジラの恐怖のテーマ」でも、作品によって編曲、演奏が微妙に異なる。ゴジラ音楽は「モスラ対ゴジラ」における演奏が最も重厚で迫力のあるサウンドになっている。「39年4月21日。モスラ対ゴジラ。ダビング音楽〔副?〕の1。ダビング1Mの1。」のナレーションで始まるサントラ盤はすごい迫力だ。

作曲家の伊福部昭さんは2月8日に亡くなられました。哀悼の気持ちを込めてこの文章を書きました。(2006.2.11追記)    

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