ウルトラQ

制作
TBS
円谷特技プロダクション



写真はカネゴン 昭和53年
キングレコード株式会社

A面:ウルトラQタイトル
   大怪獣の歌
B面:ウルトラマーチ
   
ウルトラQタイトル
 作曲・編曲 宮内 国郎
 サウンド・トラック
大怪獣の歌
ウルトラマーチ
 作詞 東   京一
 作曲 宮内 国郎
 うた みすず児童合唱団
 
定価 500円


ガラモン


ウルトラQミュージックファイルVOL.1 by VAP

「大怪獣の歌」の序奏はウルトラマンの「特捜隊の歌」に少し似ています。途中、「ウルトラマンの歌」によく似た旋律も出てきます。作曲者がウルトラマンと同じ宮内国郎ということもあって、「大怪獣の歌」は、「ウルトラマンの歌」の原型ともいえる曲でしょう。「ウルトラマーチ」の方は、昭和40年代初めのテレビ子供番組特有のさわやかな曲です。両曲とも番組では使われていません。

ウルトラQは、作品だけでなく、そのBGMも素晴らしいものでした。左の写真は、ウルトラQのBGM集「ウルトラQミュージックファイルVOL.1」です。ほかにVOL.2と「ウルトラシリーズミュージックファイル未収録編」も発売されています。この3枚でウルトラQのBGMはほぼ揃います。ウルトラQのBGMにはいい曲がたくさんありますが、子供が活躍する物語でのBGMが特に優れているような気がします。「育てよ!カメ」「カネゴンの繭」「鳥を見た」では、ほのぼのとしたきれいな曲がたくさん出てきます。ウルトラマンでもウルトラQと共通のBGMが多く使われています。(作曲はすべて宮内国郎)

また、ウルトラQ全29話のどれも、SFらしいゾクッとするようなタイトルがつけられています。「五郎とゴロー」「育てよ!カメ」「鳥を見た」「ガラダマ」「カネゴンの繭」「ガラモンの逆襲」「1/8計画」「2020年の挑戦」「悪魔っ子」「206便消滅す」など。さすが、円谷プロが精魂込めて作った番組だけあって内容だけでなくタイトルも充実しています。内容も「ガラダマ」「ガラモンの逆襲」など、30分の子供番組といっても、SFXを駆使した現代版ゴジラよりずっと迫力があります。さすが、円谷英二監督が監修しているだけあります。

フジテレビと円谷プロで計画されていたテレビ特撮番組「WOO」は制作中止になりました。一方、TBSと円谷プロが計画していた「アンバランス」の方は、「マンモスフラワー」「変身」「悪魔っ子」まで撮影されましたが、番組に怪獣を登場させることになり、タイトルも「ウルトラQ」に変更されました。石坂浩二のナレーション「これから30分、あなたの目はあなたの体を離れて、この不思議な時間の中に入っていくのです。」は、このアンバランスゾーンのことでしょう。

お蔵入りした「WOO」は、後に企画が練り直され、「ベムラー」→「レッドマン」と変遷し、最終的に「ウルトラマン」となって日の目を見ることになります。「WOO」は、ウーの名でウルトラマン第30話「まぼろしの雪山」の怪獣名で登場します。作者がウーという名に強い愛着を持っていたのでしょう。

ウルトラマンの項で書いたように、ウルトラQもウルトラマン同様、初回放送を第10話くらいまで見逃しています。裏番組に「W3(ワンダースリー)」が放送されていたため、おそらくこちらを見ていたのでしょう。高視聴率を誇っていた「W3」は、「ウルトラQ」が始まったせいで視聴率が落ち、放送日が日曜日から月曜日に変更されました。ウルトラQを見始めたのは、おそらく、W3の放送日が変更されてからだと思います。(2000.12.8記)



放送順 タイトル 出演怪獣 コメント
ゴメスを倒せ! ゴメス・リトラ リトラはラドンよりすごい。リトラの動きは本当の鳥のように撮影してある。ゴメスを倒した後、ゴメスの上でこときれるリトラの姿が痛ましい。
五郎とゴロー ゴロー ゴローはキングコングよりすごい。ゴローの動きは猿そのもの。ゴローの中に入っている人は動物園で猿の動きをかなり研究したに違いない。
宇宙からの贈り物 ナメゴン 一旦事件が解決したように見せかけ、実はまだ解決していなかったという状況で番組が終わるのは、にくい演出。
マンモスフラワー ジュラン 番組タイトルが「ウルトラQ」に変更される前の「アンバランス」として撮影された第一作。
ペギラが来た! ペギラ ペギラは、ウルトラマンではデザインが少し変更され、チャンドラーとして登場する。
育てよ!カメ ガメロン・怪竜 二瓶正也(ウルトラマンのイデ隊員役)がギャング役で出ている。現代版浦島太郎。
SOS富士山 ゴルゴス 漫才師の晴乃チック、タックが出演している。二人はこの頃、外国テレビ喜劇「フライマン」の声を出していた。
クモ男爵 タランチュラ タランチュラの足の動きが見物。
地底超特急西へ M1号 時速450キロで東京−北九州間を走る地底超特急いなずま号。石川進が出演している。
10 甘い蜜の恐怖 モングラー ウルトラマンのハヤタ隊員役の黒部進が出演している。
11 バルンガ バルンガ 空中巨大生物。なぜか、「宇宙大怪獣ドゴラ」のイメージとダブる。
12 鳥を見た ラルゲユウス かわいい小鳥が巨大化してラルゲユウスになるシーン、ラルゲユウスの羽ばたきによる衝撃波で都市が破壊されるシーン、いずれも30分子供番組とは思えない念の入った特撮である。さすが、円谷プロ。
13 ガラダマ ガラモン ガラモンがひっくりかえるとなかなか立ち上がれないところが、逆にリアルである。「奇々怪々の怪物くん」という表現がぴったりの怪獣。ダムを破壊するシーンは、ウルトラQ切っての名場面。
14 東京氷河期 ペギラ 羽田空港が凍結したシーンが印象的。
15 カネゴンの繭 カネゴン コミカルな仕上がりだが、加根田金男がカネゴンの繭に吸い込まれるシーン、カネゴンが銀行前で硬貨を奪うシーンなど少し恐いところもある。ガラモン、ケムール人と並ぶウルトラQ怪獣の傑作。
16 ガラモンの逆襲 ガラモン・セミ人間 ガラモン再登場。今度は、3匹同時に東京に現る。すごい迫力。
17 1/8計画 江戸川由利子(桜井浩子)が小さくなる。21世紀中にこの計画は本当に実現するかもしれない。極めて完成度の高い作品。本ストーリーで使われるBGMがまた素晴らしい。
18 虹の卵 パゴス これは、親戚の家で見た記憶がある。
19 2020年の挑戦 ケムール人 ほんの一カットだが、パトカーに追いかけられケムール人が走って逃げるシーンは気味が悪い。メリーゴーランドで万城目淳(佐原健二)に化けたケムール人が元に戻るシーンも不気味だ。ウルトラマンでのムラマツ隊長役の小林昭二が出演している。
20 海底原人ラゴン ラゴン 闇に光る目が不気味。ウルトラマンでは巨大化して登場。
21 宇宙指令M774 ボスタング・キール星人・ルパーツ星人 「あなたのお隣の方、その人も宇宙人かもしれませんよ。」というセリフで突然番組が終わる。
22 変身 モルフォ蝶 カフカの「変身」が思い起こされる。「アンバランス」第二作。
23 南海の怒り スダール スダール(大ダコ)の動きが素晴らしい。特撮の妙。どうやって撮影しているのか考えさせられる作品。
24 ゴーガの像 ゴーガ 番組冒頭の出演者リストにはクレジットされていないが、古谷敏(ウルトラマン役、ウルトラセブンのアマギ隊員役)がちょっと出ている。
25 悪魔っ子 これを見た後、夜トイレに行けなかった。「アンバランス」第三作。シリーズ中最も恐い(不気味な)話。
26 燃えろ栄光 ピーター 工藤堅太郎がボクサーのジョー役で出演。
27 206便消滅す トドラ トドラとはすごくいい名だと思ったが、よく考えると、トドに怪獣語尾のラをつけただけ。子供の頃、あれはアシカだと思っていた。
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28 あけてくれ! この話だけ、放送日が一年以上空いている。どういう事情があったのかは知らない。主人公の中年男沢村の気持ちは今頃になってようやく分かる。子供にはちょっと難しい内容。

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