子連れ狼


小池 一雄 原作
小島 剛夕 劇画


決定盤 子連れ狼 / 橋 幸夫
A 1 子連れ狼
2 三途の川の乳母車
3 大五郎子守唄
4 刺客道
B 1 影狩り
2 吉良の仁吉
3 花の三度笠
4 旅姿三人男
5 名月赤城山
6 だれかが風の中で
A1,A2,A3,B4
作詞 小池一雄 作曲 吉田正
うた 橋 幸夫
    A1,A4  若草児童合唱団
    A2,A3 みすず児童合唱団
B面は「子連れ狼」とは関係ないので省略
1972年 ビクターレコード






レコード・ジャケットの裏面小池一雄原作、小島剛夕劇画の「子連れ狼」です。昭和46年から昭和51年まで「週刊漫画アクション」に連載。テレビでは昭和48年、49年、51年のそれぞれ4月から9月に三部に分けて断続的に放映されました。

感動的なのはなんといっても最後の部分です。拝一刀と柳生烈堂の宿命の対決。テレビでは拝一刀役が萬屋錦之介、柳生烈堂役が佐藤慶でした。最終回を見たのは、再放送でしたが、相当感動したものです。何年もドラマが続き、最後の最後になって宿命の対決が行われるという、物語の盛り上げ方としては最高のパターンです。

萬屋錦之介版の「子連れ狼」は、最近ビデオを購入しましたが、一刀と烈堂の真剣白刃取りの応酬で、しかも、役者の手や腕に全然力が入っていいないのがよくわかり、少しがっかりでした。若山富三郎の映画は、乳母車から機関銃が出たりして、チャンバラ映画というよりもアクション映画みたいで面白くありませんでした。原作漫画の雰囲気がまるで出ていないように思います。

平成になって、田村正和主演の映画「その小さき手に」(93年)でリバイバルしましたが、これは原作の雰囲気が最もよく出ていると思います。(製作が「小池一雄事務所」だから当然でしょう。) 2時間足らずの映画ですが、テレビの最終回よりもずっとよいと思います。田村正和は、一見冷たそうだが心の中はやさしい、といった役がピッタリですね。烈堂の娘役若村麻由美も美人でよい。烈堂役の仲代達矢の演技も素晴らしい。最後の拝一刀と柳生烈堂の決闘シーンは最高です。何度見ても飽きません。この映画のBGMもまたよかった。やっぱり、作品の出来不出来は、音楽によるところが大きいですね。

このレコードは、大ヒット曲「子連れ狼」をフィーチャーした橋幸夫のアルバムです。「子連れ狼」は橋幸夫の久々の大ヒットになりました。A面が「子連れ狼」の関係曲、B面は「子連れ狼」とは関係のない曲が収められています。このアルバムに収録されている主題歌「子連れ狼」は、冒頭のセリフ「小高い丘の城跡の くずれかけた東屋で・・・」の前に、拝一刀が、大五郎に胴太貫(どうたぬき)か手まりを選ばせるシーンの長いセリフが入ります。
「大五郎、程なく検屍役が到着しよう。・・・介錯人拝一族の恨みを晴らし、・・・よく聞けい大五郎!・・・さあ、ここに胴太貫と手まりがある。・・それが我らの宿命ぞ・・・」(約2分20秒)のあとに、「小高い丘の城跡の・・・」(約40秒)が続き、児童合唱団の「しとしとぴっちゃんしとぴっちゃん・・・」(約30秒)が入り、ようやく橋幸夫の歌となります。橋幸夫が歌い始めるまでなんと3分30秒もかかります。テレビでこの長いセリフをやっていたら、「早く歌え!」と言われそうです。(2001.10.10記)

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