ウルトラマン

制作
TBS
円谷特技プロダクション
 
原画
成田 亨



   昭和42年6月26日発行

   朝日新聞社 (株)朝日ソノラマ

   A面:1 ウルトラマンの歌
       2 進め!ウルトラマン
   B面:ドラマ「ウルトラマン危機一髪!」

   ウルトラマンの歌
    作詞 東 京一
    作曲 宮内 国郎
    うた みすず児童合唱団
        コールステルオ

   進め!ウルトラマン
    作詞 東 京一
    作曲 宮内 国郎
    うた みすず児童合唱団
        コールステルオ
   
   昭和41年7月発売

   テイチク株式会社

   A面:1 ウルトラマンの歌
       2 特捜隊の歌
   B面:1 進め!ウルトラマン

   ウルトラマンの歌
       同左

   特捜隊の歌
    作詞 東 京一
    作曲 宮内 国郎
    うた みすず児童合唱団
        コールステルオ

   進め!ウルトラマン
       同左
   
定価 280円 定価 300円
さいとうたかおによる絵
朝日ソノラマ テイチクレコード

昭和42年になって、朝日ソノプレス社から(株)朝日ソノラマに社名が変更されています。
「特捜隊の歌」が朝日ソノラマに入っていないので、もう一枚テイチクレコードを買いました。
ソノシートの「お話」は、テレビとは関係のないオリジナルです。出演者は科学特捜隊の5人がそのまま出ています。しかし、ナレーターが違うし、バルタン星人の声も違うので、聴いてもおもしろくありません。そもそもウルトラマン本人にはセリフがないので、ソノシートには向かないのかもしれません。

テイチクレコードジャケットの、このウルトラマンの絵がお気に入りでした。
朝日ソノラマには、「特捜隊の歌」が入っていないため、3曲入りのテイチクレコードを買いました。
テイチクレコード
朝日ソノラマのシート本の中にある怪獣解剖図
左からアントラー、レッドキング、ネロンガ、ラゴン
この4匹が一度に出てくるお話はありません。
ラゴンは、ウルトラQにも出ており(身長2メートル)、ウルトラマンでは巨大化して出てきました。(身長50メートル)


朝日ソノラマに載っているウルトラマンの解剖図。これと全く同じ絵のあるウルトラマンの本を別に持っていました。また、厚紙のボックスにB5サイズの写真が20〜30枚納められたウルトラマンの写真集も持っていました。ウルトラマンの放送中に発売されたもので、シリーズ前半に登場する怪獣の写真が中心でした。
ウルトラマンは、漫画化もされており、「まだらの少女」の梅図かずお、「電人アロー」の一峰大二などが描いていました。ここで紹介している朝日ソノラマのドラマ「ウルトラマン危機一髪!」の絵を描いているのは、意外にも、ハードボイルド劇画のさいとうたかおです。
ウルトラマン解剖図

 

みごとなポーズ スペシウム光線

簡単なようでこの形はなかなか決められません。
肩の力を抜き、両手は堅く緊張させ、指先はまっすぐピンと伸ばす。


この動きを考えた人はすごい 八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュともいうが、八つ裂き光輪の方が一般的)

第16話「科特隊宇宙へ」(2回目登場のバルタン星人に使用)で初登場。日曜日放送でしたが、次の日、学校で「あの技はなんだ。」と騒然となりました。
この複雑な動きは、一度見ただけでは覚えられませんでした。(左の4コマの前に、脇を開き、両手を胸のところに当て、再び両手を開き、・・・文章で表現できないので、ビデオを見てください。)
第16話にして初めてスペシウム光線の次の技が出ました。
さらに、第31話「来たのは誰だ」(ケロニア登場)で、再び見たことのない技が出ました。(ウルトラアタック光線という呼び名が付いていますが、当時はそんな名前はありませんでした。)また、これは、ウルトラマン全39話中、このときしか使っていません。
このように、ウルトラマンは新しい技を時々出しては我々を楽しませてくれました。

       

すばらしい表情 ウルトラマンの一番いい顔

   
〜これらのポーズが決められるのは、初代ウルトラマン俳優古谷敏しかいない。ほかの人が演じても様にならない。古谷敏は後のウルトラセブンでアマギ隊員を演じた人だ。〜





昭和41年夏、ウルトラマンの第一回放送に先立ち、ウルトラマンのレギュラー出演者たちが子供たちと集う前夜祭の模様が放映されました。これを見て、ウルトラマンは何と変な格好をした宇宙人だな、と思ったものです。なぜなら、これまでとはまるで異なったタイプのヒーローであったからです。また、ウルトラマンの銀色と赤のデザインも非常に奇異に感じました。しかし、怪獣が毎週出るというので、第一回放送を心待ちにしていました。ところが、この記念すべきウルトラマン第一回放送をなぜか見逃してしまいました。そのため、何年か先に再放送を見るまで、最終回での赤い球、青い球の意味がよく分かりませんでした。

下の表を見ても分かるように第一回以外にも何回か見逃しをしています。原因はなにかというと、これはあくまでも推測ですが、同じ時間帯に他に見たい番組があったのではないかと思います。ウルトラマンの放送は7月に始まっており、4月から放映されていた別の連続番組を見る必要があったのでしょう。こう考えるとシリーズ前半に見逃しが多かった説明が付きます。

ウルトラマンの魅力の第一は、ウルトラマンは地球上ではエネルギーを大量に消耗するので3分間しか戦えない、という時間制限が設けてあり、エネルギーを消耗すると胸のカラータイマーが点滅するように設定されていたことです。このことにより、ウルトラマンと怪獣の戦いにいっそうの迫力と緊張感が伴うこととなりました。

魅力の第二は、あまり語られることがありませんが、ウルトラマンの演技です。ウルトラマンを演じていたのは、ウルトラセブンでアマギ隊員になった古谷敏という俳優です。この人の演技は、るいぐるみ俳優では最高だと思います。初代ウルトラマンも、今のウルトラシリーズのような動きで撮影されたら魅力は半減するでしょう。細かいことですが、怪獣映画ではその怪獣を演ずる人が重要な要素となります。ゴジラシリーズも、ゴジラの動きが漫画チックになるにつれて人気が落ちていきました。セリフもなく、能面のような顔をしたウルトラマンに、さまざまな表情を持たせることができたのは、まさに古谷敏の演技力によるものだと思います。

魅力の第三は、ウルトラマンが、怪獣との格闘シーンだけを売り物にしているのではないということです。ウルトラマンは怪獣を倒すことなく逃がしてやったり、場合によっては怪獣と戦うことなく自ら去って行ったり、慈悲心に満ちていました。(ガバドン、ヒドラ、ウー、シーボーズなど) 
さらに、変身ものでありながら、最後まで誰にも正体が明かされることなく全編が完結したこともウルトラマンの魅力のひとつです。(変身ものや覆面ものは、最終回に主人公の正体が明かされるパターンが多い。)

もう一つ忘れてはならないのが、前作のウルトラQから引き続き、ただ一人レギュラー出演している桜井浩子(アキコ隊員)の存在です。このころのウルトラシリーズの顔は桜井浩子です。ウルトラQでは、新聞記者兼カメラマンの江戸川由利子を好演していました。ウルトラQでは小さくなったり(8分の1計画)、ウルトラマンでは巨大になったり(禁じられた言葉)して大活躍でした。次のウルトラセブンでも当然女性隊員として出演するものとばかり思っていましたが・・・。「ウルトラマーン、あなたが死んでしまったら地球はどうなるの。ウルトラマーン」と、ゼットンに敗れたウルトラマンに向かって叫ぶシーンがウルトラシリーズでは最後になってしまいました。

ただ一つ残念なのは、後のシリーズにおいて、ゾフィやウルトラセブンなどとともに、みんな兄弟にされてしまったことです。ウルトラシリーズが初めからそういう設定でスタートしたのならともかく、付焼刃的にストーリーを足していったものだから、もう無茶苦茶です。円谷英二や金城哲夫が見たら何と言うでしょう。せめて、初代ウルトラマンとウルトラセブンくらいは別格にしておいてもらいたかったと思います。

最後に蛇足ですが、ウルトラマンの掛け声「シュワッチ」というのは、何年も後になって、ウルトラマンがリバイバル人気を博したことがありましたが、この時に誰かが言い出しただけで、当時は「ジュワッ」とか「シュワッ」と言っていたような気がします。

本来なら、ウルトラマンの前にウルトラQを語らなければなりませんが、シートを持っていないので、もう少し後で書くことにします。(「ウルトラマン追加」へ)(2000.8.2記)


      

初放送を見逃し、後に再放送で見たものは、コメントを差し控えさせてもらいます。

放送順 タイトル 出演怪獣 コメント
- 前夜祭 東京のどこかの公会堂でやっていました。
1 ウルトラ作戦第1号 ベムラー 記念すべき第一話を見逃しました。どこかに遊びに行っていたか、裏番組を見ていたかのどちらかでしょう。
2 侵略者を撃て バルタン星人 初めてウルトラマンを見たのはこの話からです。バルタン星人の笑い声がすごいと思いましたが、あとで冷静になって聞いてみると、ケムール人の声の回転を早くしただけです。また、デザインも、「ガラモンの逆襲」のセミ星人に似ています。
3 科特隊出撃せよ ネロンガ 本格派怪獣もの。
4 大爆発5秒前 ラゴン ウルトラQのラゴンを大きくして登場させています。制作費が限られていたのでしょう、ほかにもウルトラQの怪獣が出たり、ウルトラマンにいったんやられた怪獣が再び出たりすることが多くなります。
5 ミロガンダの秘密 グリーンモンス 初放送見逃し。
6 沿岸警備命令 ゲスラ 本格派怪獣もの。
7 バラージの青い石 アントラー このころから、学校でウルトラマンの人気が不動のものになってきたような気がします。
8 怪獣無法地帯 レッドキング・チャンドラー・マグラ・ピグモン・スフラン ウルトラQのガラモンを小さくしてピグモンと名前を代えて登場させました。
9 電光石火作戦 ガボラ 本格派怪獣もの。
10 謎の恐竜基地 ジラース 初放送見逃し。この怪獣はいただけません。ゴジラにえりまきを付けただけです。
11 宇宙から来た暴れん坊 ギャンゴ 初放送見逃し。
12 ミイラの叫び ドドンゴ・ミイラ人間 初放送見逃し。三週連続の見逃し。他に見たい番組があったのでしょう。
13 オイルSOS ペスター ペスターをどうやって動かしているか不思議でしたが、人間が2人入っていました。
14 真珠貝防衛指令 ガマクジラ 本格派怪獣もの。
15 恐怖の宇宙線 ガバドン(A)・ガバドン(B) ウルトラQのウルトラマン版のような話です。ここから、怪獣退治一辺倒のストーリーから変化が見られるようになりました。
16 科特隊宇宙へ バルタン星人 八つ裂き光輪初登場。バルタン星人2度目の登場。
17 無限へのパスポート ブルトン ウルトラQ的な物語。
18 遊星から来た兄弟 ザラブ星人(にせウルトラマン) ついに、にせウルトラマン登場。ヒーローものには、にせもの事件が多いです。鉄人、ウルトラセブン、タイガーマスク(漫画版)など。
19 悪魔はふたたび アボラス・バニラ 本格派怪獣もの。
20 恐怖のルート87 ヒドラ 初放送見逃し。
21 噴煙突破せよ ケムラー 本格派怪獣もの。
22 地上破壊工作 テレスドン 本格派怪獣もの。
23 故郷は地球 ジャミラ 初放送見逃し。ウルトラマンが手から水を出すのを、再放送で知りました。
24 海底科学基地 グビラ 本格派怪獣もの。
25 怪彗星ツイフォン ギガス・ドラコ・レッドキング レッドキング2度目の登場。ドラコはウルトラマン屈指のデザインの優れた怪獣だと思います。
26 怪獣殿下(前編) スフラン・ゴモラ 一話で決着がつきませんでした。みんなウルトラマンが勝てなかったと学校で騒いでいました。
27 怪獣殿下(後編) ゴモラ 前編ではウルトラマンが手こずったものの、後編では案外あっさり料理してしまいます。
28 人間標本5・6 ダダ 初放送見逃し。
29 地底への挑戦 ゴルドン 本格派怪獣もの。
30 まぼろしの雪山 ウー ウルトラマンでは、この物語のように、怪獣とのはでな格闘シーンのないものもありました。
31 来たのは誰だ ケロニア 決め技ウルトラアタック光線。全39話中、このときだけ使った技です。
32 果てしなき逆襲 ザンボラー 本格派怪獣もの。
33 禁じられた言葉 メフィラス星人・ケムール人・バルタン星人・ザラブ星人 メフィラス星人とも闘いませんでした。
バルタン星人3度目の登場。ザラブ星人2度目の登場。ケムール人はウルトラQ以来の登場。
34 空の贈り物 スカイドン コミカルな演出になっています。毎回こんな演出だと見る気を失うでしょう。
35 怪獣墓場 シーボーズ みんな骨が動いていると言っていましたが、自分にはがいこつには見えませんでした。
36 射つな!アラシ ザラガス アラシ隊員の人間味あふれるお話です。
37 小さな英雄 ジェロニモン・ドラコ・ピグモン・テレスドン イデ隊員は、ウルトラマンが登場しているとき、いつもハヤタがいないため、ハヤタがウルトラマンではないかと疑います。当然です。また、自分たちがいくらがんばっても最後にはウルトラマンが出て助けてくれるのでやる気を失います。これも当然です。ドラコ・ピグモン・テレスドンも2度目の登場。
38 宇宙船救助命令 キーラ・サイゴ サイゴという怪獣の名は、次が最終回だということを暗示しているのでしょう。
39 さらばウルトラマン ゼットン・ゼットン星人・ゾフィ 放送終了後、感動のあまり10分くらい口が利けませんでした。ゼットン星人はよく見るとケムール人です。初放送ですぐ気がつきました。気づかない友達も結構いました。子供の目は案外ごまかせるものです。ケムール人2度目の登場。初回を見逃していたので、最後のハヤタの「僕が竜ヶ森で衝突して・・・、衝突してどうなったんだろう。」というセリフの意味が理解できませんでした。


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